中野こども病院 小児外科 

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胃食道逆流症

 肥厚性幽門狭窄症のミルク嘔吐は、長くても生後2ヶ月までにほぼ軽快し、胃軸捻転症のミルクの嘔吐は、生後3ヶ月までにほぼ軽快する。生後3ヶ月を過ぎても、ミルクの嘔吐が続く場合は、胃食道逆流症の可能性も考える。

症状
 ミルク、食物残渣の嘔吐、などの消化器症状だけではなく、いつもごろごろいう、繰り返す肺炎、喘息の増悪、などの呼吸器症状を引き起こす。経口摂取不良、体重増加不良は手術適応である。長らく放置されると、逆流性食道炎、食道潰瘍、その出血による貧血、食道狭窄などもおこってくる。
突然死の原因のひとつともされる。

検査

食道胃透視、24時間食道phモニターで検査する。
食道胃透視で逆流が確認できる程なら、高度の胃食道逆流である。軽度の逆流は透視では診断がつかない

24時間食道phモニターは、胃食道逆流症かどうか、その程度を知るためには不可欠な検査である。24時間のうちph4以下が4%以上だと胃食道逆流症と診断する。

 

 

 

 

重症心身症児の胃食道逆流症

重症心身症で寝たきりの児の胃食道逆流症も問題である。胃液の逆流が、嘔吐以外に、繰り返す肺炎、流涎、体緊張の増悪、経口摂取不能などをおこし、児の状態を悪化している。逆流防止手術をすることで、安定した状態となることが多く、積極的に手術を考えるべきである。

逆流防止手術(Nissen噴門形成術)

最近は、軽症の場合はまず、薬剤治療が行なわれる。


逆流防止手術(Nissen噴門形成術)

食道下部に胃の噴門を巻き付け逆流防止弁をつくる。


 参考文献:

中野こども病院 小児外科 松川泰廣

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