中野こども病院 小児外科 

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腸重積症

ポイント:生後4ヶ月から2歳。注腸整復。まれに手術

腸重積の好発年齢
 腸重積は生後4ヶ月から2歳に多く、好発年齢からはずれる症例は大腸ポリープ、メッケル憩室など器質的疾患を考慮するべきである。

超音波検査
まずは超音波検査である。外ぬけの腫瘤エコーを呈する。また整復時に整復できたかどうかの確認に役立つ。

 

腸重積注腸整復のコツ

 注腸には空気、6倍ガストログラフィン、非常に薄いバリウム(10倍希釈)など腸管外に漏れた時により安全なものを使う。何を使うにせよ最先部に圧がかからなければ整復はおぼつかない。肛門からの漏出を防ぐことが最も大事である。大人用の2重バルーンを使用し、肛門を締めるためばんそうこうで下肢をよせるように固定する。造影剤は腸管の形態がみえる濃度で十分である。薄い方が腸管が重っても先進部の形態ががよく造影され追いやすい。ガストログラフィンはそのままの濃度では浸透圧が高く脱水をおこし危険である。6倍で等張となる。水溶性なので漏れたときに安全である。もっとも安全と思われる空気整復を推奨する施設もある。

 

注腸整復の禁忌
一般的には以下は、注腸整復禁忌、手術適応とされる。
 1)腹膜炎所見のあるもの
 2)発症後24時間たったもの
 3)ニボーのみられるもの
 4)なかなか整復できないもの
腹膜炎症状のあるものは穿孔があるわけで絶対禁忌である。2)−4)は安全域をみこした条件で緊急手術が可能な施設ならまずは注腸整復を試みてみる。整復圧は1m水圧とされる。ほとんどの症例は注腸で整復可能で手術が必要なことは少ないが、無理はしないこと。

 


 参考文献: 松川泰広他: 2連バルーン使用による腸重積注腸整復の試み.日小会誌 92: 2643, 1988. 

中野こども病院 小児外科 松川泰廣

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