ほぼ全例、男児です
男児に見られる病気です。女児にはまず見られません。ほとんどが1歳までですが、1歳以上でもおこります。生まれてすぐの赤ちゃんでもおこります。
お母さんの心配
肛門の横がはれてきて痛がります。熱が出ることもあります。つぶれて膿(うみ)が出て、その後、腫れたり、膿がでたりを繰り返してなかなか治りません。お母さんは膿の出ることをひどく心配されます。しかしこれは安心してよい病気です。これは、乳児痔瘻、と、特別、乳児とついているように、大人の痔瘻と経過が違います。大人の痔瘻は最終的に手術をしないと治らないことが多いのですが、乳児痔瘻は最終的に治ります。手術が必要なことはまずありません。ただし、治るまで長くかかる病気です。
これだけは...
3つだけ注意しましょう。
ひとつは、最初に腫れたときは、早めに医療機関を受診し、切開を受けて膿を出すことです。放っておくと炎症がお尻全体に及ぶこともあります。我々は1cmくらい大きく切っています。
二つ目は、膿は出ている方がいい、ということです。決してあせってはいけません。腫れて、膿が出て、小さくなって、また腫れて、膿が出て、を繰り返しながら、だんだん治ってきます。膿が出ていたらいい、と考えて、この病気とつきあって下さい。我々は、お母さんに、毎日しこりを絞って膿を出してください、あとは全く普通の生活をしてください、とお話しています。お尻を清潔に保ちましょう。うんちがついたままでは駄目ですよ。入浴も普通にさせましょう。消毒や軟膏や抗生剤の内服は必要ありません。通院は必要ありません、もちろん時々来て貰いますが。
三つ目は、軟便・下痢の時に悪化するということです。ですから風邪の時には、悪化したり、再発したりしやすいのです。抗生剤の内服も便がゆるくなってかえって悪化することがあります。便が硬くなると治ってくるので、早めに離乳食に移行するのもいいですね。
長くかかりますが、必ず治ります
治る目安は、お尻のしこりです。しこりがある間はまだ治っておらず再発します。なくなれば再発はしません。1年くらいかかることはままあるので気長につきあってください。必ず治ります。
専門に見ているのは、小児外科です。
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