女児新生児、乳児期の鼠径ヘルニアでは卵巣もでてきます
鼠径ヘルニアでは、ふつう、泣いたときに腸管が出てくるのですが、女の子の場合は、それ以外に卵巣が飛び出すこともあります。特に赤ちゃんヘルニアではよく卵巣が出ます。
女の赤ちゃんで股の所に小指の先くらいの大きさのころっとしたしこりを触れることがあります。これはソケイヘルニアの一種で卵巣がお腹の外にとびだしたものです。始めのうちは押すと戻り、離すと飛び出るという状態ですが、そのうちに卵巣に水がたまってはれてきて押しても戻らなくなります。こうなると、いつもころころとしたよく動くしこりを触るようになります。よくリンパ節と間違えられます。痛みはなく、赤ちゃんの状態は良好です。これが卵巣の嵌屯です。卵巣は嵌屯しても血行障害をおこすことは少ないのですが、このままではヘルニアが治りませんし、また、まれにですが卵巣がねじれて腐ることもあります。ということで、緊急手術の必要はありませんが、早めに手術を受けるべきでしょう。女児の鼠径ヘルニアは、生後6ヶ月くらいまでは7割が卵巣の脱出です。1歳を過ぎると卵巣の出ることはほとんどなくなり、男児と同じく腸管の脱出する形をとります。
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