中野こども病院 小児外科 

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包茎(ほうけい)

子供さんの包茎の悩みにお答えします

包茎とお母さん

 子供さんの包茎は、よく公園での話題になるようですね。お母さん方の関心も強く、心配も強いのですが、いざ、自分の子供が包茎かどうか、よくわからない方も多いようです。 簡単にめくれるよ、といわれ、じゃ、やってみようかしら、と思っているお母さん、どうしますか?

ほうけいって、どうなってるの?

 包茎とは、どんな状態をいうのでしょう?図を見てみましょう。ペニスの先端の丸い部分を亀頭(きとう)といいますが、その亀頭をおおっている皮を包皮(ほうひ)といいます。包皮は弾力性に富む皮膚で、2重になって亀頭をおおっています。包皮がめくれないのが、包茎です。では、何故めくれないのか?問題は包皮の先端です。図の赤いところですが、この部分を包皮口といいます。包皮口が短いとめくれないわけです。包皮口がペニスの太さと同じくらいの長さがあれば、めくれるはずですね。
 生まれたての赤ちゃんのちんちんを気にする必要はありません。新生児から1歳までの赤ちゃんはほとんど包茎です。ペニスを守るためなのか、神様も、ちんちんを実に奇妙なかたちにつくったものですね。幸い日本には割礼という習慣がなく包皮を邪魔物扱いしないので、包皮といかにつきあうかが問題となってきます。

包茎はほっといたら自然にめくれるてくるの?

 ちんちんがめくれる、めくれない、と言いますが、めくれるとは先ほど言った包皮口の短い部分が解消するということなのです。別の言葉で言うと、包茎が治るということは、包皮口が伸びる、ということです。
 包茎のほとんどは包皮口が自然に伸びて解消すると言われています。何歳までにめくれていないといけないということはありません。でも大人になってもめくれない子もいるところが、悩ましいところですね。心配なら、我々に相談して下さい。子供さんは、4歳くらいになると、ちんちんに興味を持ち出します。10歳すぎるとお母さんには見せなくなります。

”ちんちんストッチ”

 包皮口を伸ばすには3つのやり方があります。
1)自然に伸びるのを待つ。
 これは何もしないということです。ペニスの勃起などの外力で徐々に伸びてゆくのを待つという意味です。
2)手術する
 包皮口を手術で伸ばすということです。短期間でめくれるようになります。
3)”ちんちんストレッチ”
 今、はやりの包皮翻転術です。わたしは、”ちんちんストレッチ”(私の命名ですが)と呼んでいます。めくるのではなく伸ばす、が基本です。長期間かかりますが多くの例に効果があります。やり方にはコツがあります。自分たちだけでやらずにかならずドクターに相談しながらやりましょう。

無理矢理めくらないで

 最後に、包茎で一番やってはいけないことは、無理矢理めくることです。無理にめくるとめくれますが、一時的に包皮が切れてめくれただけです。痛いし、出血するし、子供さんに恐怖心を与えます。包皮が戻らなくなることもあります(包茎の嵌屯)。その後放置すると、かえって狭くなります。無理矢理めくるのと、ストレッチとは違います。是非我々に相談して下さい。


中野こども病院 小児外科 松川泰廣

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