中野こども病院 小児外科 

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小児外科こんなときあんなとき

お母さん、お父さんへ
  子供さんが、だっちょう、とか、でべそ、とか、ほうけい、とか、いわれたらどうしますか?生まれたての赤ちゃんが、ミルクを吐いたらどうしますか?小児外科はそんな病気を扱っています。こんな子がいたらどうすべきか、考えてみましょう。

 
泣くと、股から陰嚢の部分が腫れる
女の子にもヘルニアがあるの?
男の子で陰嚢がいつも腫れている
肛門のサイドが赤く腫れて、痛がり、膿が出る
うんちのときに痛がる、便に血が混じる、肛門の上側に痛そうな腫れが...
でべそって、治るの?
赤ちゃんが、胆汁(緑色の液)を吐いた
赤ちゃんがミルクを吐く
赤ちゃんがミルクを吐き、げっぷがへたで、お腹がはっている、おならは頻回に出る
ちんちんが小さい?
ちんちんのかたちがおかしい?ちんちんが曲がっている。
タマタマを触れない。タマタマが無い?
突然急に泣き出し、お腹を痛がる。しばらくおさまるが、また痛がる。血便があった。
   

泣くと、股から陰嚢の部分が腫れる
脱腸ですね。鼠径ヘルニアです。
女の子にもヘルニアがあるの?
あります。男女比は2:1くらいです。1歳くらいまでの女の子は卵巣が飛び出すことがあります。
男の子で陰嚢がいつも腫れている
それは陰嚢水腫です。
肛門のサイドが赤く腫れて、痛がり、膿が出る
男の子ですね。それは肛門周囲膿瘍です。乳児痔瘻になって、何回も排膿を繰り返しますが、長期間かかっても必ず治ります。
うんちのときに痛がる、便に血が混じる、肛門の上側に痛そうな腫れが...
それは、肛門が切れているのです。裂肛です。できものの様に見えるのは、見張りいぼといって、裂肛の刺激で大きくなっているのです。ほとんどは女の子です。便秘が原因です。便秘の治療をしないと治りません
でべそって、治るの?
年齢によります。正式には臍ヘルニアといいます。1歳までは、10人中9人はなおります。1歳以後は、固定してしまってなおりません。形を整えるには手術が必要です。
赤ちゃんが、胆汁(緑色の液)を吐いた
赤ちゃんに限らず、これはいけません。緑色の液は胆汁です。たいていは緊急手術が必要な病気です。一刻も早く、ドクターを訪ねましょう。
赤ちゃんがミルクを吐く
小児外科的には、胃軸捻転肥厚性幽門狭窄症胃食道逆流症などが考えられます。
赤ちゃんがミルクを吐き、げっぷがへたで、お腹がはっている、おならは頻回に出る
こんな赤ちゃんがよくいますね。げっぷがうまく出せず、飲み込んだ空気でお腹がはって、一日中おならをしています。機嫌が悪く、縦抱きにすると泣きやむ。ミルクを吐くこともあります。生まれてすぐからこういう症状はおこります。こんな赤ちゃんは胃軸捻転症が考えられます。
ちんちんが小さい?
ちんちんは陰茎(いんけい)といいます。英語ではペニスですね。埋没陰茎尿道下裂、マイクロペニスなどが考えられます。
ちんちんのかたちがおかしい?ちんちんが曲がっている。
尿道下裂でしょうね。
タマタマを触れない。タマタマが無い?
タマタマは、昔は睾丸(こうがん)といいましたが、今は精巣(せいそう)といいます。女の子の卵巣に対して、男の子で精巣というわけです。これは停留精巣遊走精巣を考えましょう。
突然急に泣き出し、お腹を痛がる。しばらくおさまるが、また痛がる。血便があった。
これは典型的な腸重積の症状です。危険な病気です。一刻も早く病院を訪ねましょう。好発年齢は4ヶ月から2歳ですが、それ以外の子でもおこります。

中野こども病院 小児外科 松川泰廣

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